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HAIR CARE MEISTER
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髪の構造について
【髪の役割】
髪の役割は、温度差やショックをやわらげる保護作用、有害金属の排泄作用、ヘアスタイルなどファッション的役割があります。
【髪の構造】
髪は外側からキューティクル・コルテックス・メデュラの3層構造からなっています。
○キューティクル :一番外側にあり、竹の子の皮状に重なり合って髪をくるりと包んでいる。髪の10~15%を占めています。
○コルテックス :外側から2層目、キューティクルとメデュラの間にあり髪のしなやかさ、弾力を作り出している部分です。髪の85~90%を占めています。
○メデュラ :外側から3層目の毛髪の芯にあたり、細い髪には存在しない場合もある。髪の0~5%を占めています。
【キューティクルについて】
キューティクルは数枚が重なっています。軟毛・細毛は2~3枚程度、普通毛は4~6枚程度、 硬毛・太毛は7~10 枚程度です。 ブリーチ、 縮毛矯正等を繰り返し行い、ハイダメージ毛になるとキューティクルが剥がれ落ち0枚になる場合もあります。
【髪の構成成分と割合】
髪は主にタンパク質(80~85%)、メラニン色素(0~4.5%)、水分(11~13%)、脂質(1~6%)で構成されています。
【髪のメラニン色素と髪の色】
髪のメラニン色素の種類はユウメラニンとフェオメラニンの 2 種類です。 髪の色はメラニン色素の種類と量で決まります。髪のメラニン色素が0%になると白髪になります。
【髪に艶を与える成分】
髪の表面には特有の脂質成分があり、18-MEAといいます。 髪に艶を与え、髪同士の絡まりを防ぎます。
【髪のタンパク質とアミノ酸】
髪のタンパク質を分解していくとアミノ酸という小さな単位になります。 アミノ酸が2個以上100個未満集まると PPT(ポリペプチド)になり、 100個以上集まるとタンパク質になります。 また、人間の身体をつくるアミノ酸は20種類で、髪を構成しているアミノ酸は18種類です。
【人間の身体をつくるタンパク質】
○ケラチン :髪や爪に多く含まれる
○コラーゲン:皮膚・歯ぐき・血管や角膜に多く含まれる
【髪を形成する 4 つの結合】
髪には、水素結合・イオン結合・シスチン結合・ペプチド結合の 4 つの結合があります。
それらが結合していると安定して髪は健康な状態です。
結合が切断されると不安定な状態になり、ダメージを受けやすくなります。
水素結合に関係するものは寝グセやブローです。
シスチン結合に関係するものはパーマ技術などです。
【健康な髪】
健康な髪の状態。
○太さ:0.05~0.1mmbr
○pH :pH4.5~5.5 の弱酸性(イオン結合がしっかりしている状態)
○本数:約 10 万本
○強度(健康な髪が持ち上げられる重さ):100~150g
○膨潤度(髪が水分を含み膨らむ度合い):約15%
○成長速度:1ヶ月で約1cm、1年で約12cm 伸びます。
※まつ毛は1ヶ月で約5mm、爪は1ヶ月で約3mm伸びます。
【UVとは】
有害な紫外線を UV(Ultra Violet)といいます。
クセ毛について
【クセ毛の原因】
クセ毛は毛根の形状に大きな影響を受けます。毛根がすでに曲がった状態で存在している場合は髪は曲がったまま伸び、ねじれたクセ毛になります。多くの日本人はこのタイプです。
曲がって生えてきたクセ毛には、コルテックス内に水を吸いやすいタンパク質と水をはじくタンパク質の2種類があります。毛髪が水分を含むと、水を吸いやすい部分は伸びるが、水をはじく部分は伸びにくいので、伸び方の差ができてしまい、うねりや縮みとなって現われます。また毛穴の形に沿って生えるために、毛穴の形によって髪の断面の形も変化します。
【クセ毛の種類】
クセ毛の種類は大きく3種類に分けられます。
○波状毛:波状に大きなウェーブで、一般的にやわらかい髪に多くみられます。
○捻転毛:うねりがスパイラル状で、フェイスラインや生え際など髪の細い部分によく見られます。
○縮毛 :髪のゆがみによりランダムに縮れていて、タンパク質の配列が不規則なため、断毛しやすくなります。
【クセ毛への変化と対策】
加齢が進行したり、頭皮環境が悪化すると毛根や毛穴が圧迫され歪んでしまい、クセ毛が増えます。ヘッドスパやスキャルプケアにより血行やリンパの流れを健全に保つことで、クセ毛の発生をおさえられます。
髪のケア方法
【髪のダメージ】
髪のダメージはいくつかの原因があります。ヘアカラーやパーマなどの薬剤によるダメージを「ケミカルダメージ」、熱によるダメージを「タンパク変性」、過度なシャンプーやブラッシングによるダメージを「物理的ダメージ」といいます。
【枝毛や切れ毛になる原因について】
年齢を重ねるにつれて髪のタンパク質の流出が進み、髪内部の密度が低下し、「毛粗しょう」になってしまい、枝毛や切れ毛になりやすくなってしまいます。
【髪のダメージ】
髪のダメージはいくつかの原因があります。ヘアカラーやパーマなどの薬剤によるダメージを「ケミカルダメージ」、熱によるダメージを「タンパク変性」、過度なシャンプーやブラッシングによるダメージを「物理的ダメージ」といいます。
【髪のダメージ】
髪のダメージはいくつかの原因があります。ヘアカラーやパーマなどの薬剤によるダメージを「ケミカルダメージ」、熱によるダメージを「タンパク変性」、過度なシャンプーやブラッシングによるダメージを「物理的ダメージ」といいます。
【ブラッシング】
過剰なブラッシングは髪にとって負担になります。過剰なブラッシングにより、キューティクルが剥がれ、髪内部の成分が流出しやすくなります。
【シャンプー後の髪はしっかり乾かす】
髪が濡れているとやわらかくなり、とてもダメージを受けやすく、摩擦などでキューティクルが剥がれてしまいます。シャンプー後はドライヤーでしっかり乾かしましょう。
【ヘアリンス・ヘアコンディショナー・ヘアトリートメント・ヘアマスクの違い】
○ヘアリンス :主に髪表面のキューティクルを整え、滑りや滑らかさを与えます。
○ヘアコンディショナー:髪表面を整え、内部にコンディショニング成分を与えます。
○ヘアトリートメント :髪の内部にしっかりとコンディショニング成分を補給し、髪を健やかにする。
○ヘアマスク :髪の傷んだ部分を高濃度のコンディショニング成分で、週1~2回使用し集中的に補修する。
【ヘアトリートメントの正しい使い方】
髪のダメージは毛先にいくほど大きくなっています。毛先はキューティクルがなく、髪内部がむき出しの状態で、毛先から髪内部のタンパク質が流れ出してしまいます。
そのため、トリートメントは毛先を中心にもみ込むようにつけるとコンディショニング成分がしっかり補給されます。頭皮(髪の根元)にまで過剰な油分を与えてしまうと毛穴が詰まってしまい、新陳代謝が悪くなってかゆみや炎症に繋がります。
頭皮のケア方法
【ヘアサイクル(毛周期)】
髪は毛根部で活発に細胞分裂を行い成長していきます。
毛根部は、髪を作る工場のような役割を果たしています。
髪は一生成長し続けるわけではなく、ある程度成長を続けた後(成長期)、その成長は徐々に弱まり(退行期)、その後成長が止まり(休止期)、再び新しく生まれます。
この周期を「ヘアサイクル」と言います。
ヘアサイクルは『成長期』『退行期』『休止期』で区分されます。
生まれたての新生児はとてもやわらかい産毛ですが、思春期にかけて大人の髪に変化していきます。
○成長期:男性 3~5年・女性 4~7年(頭髪全体の約85~95%)
○退行期:2~3週間(頭髪全体の約1~3%)
○休止期:数か月(頭髪全体の約9~14%)
【頭皮の構造】
頭皮は皮膚と同じく、表皮・真皮・皮下組織に大別されます。
「表皮」では新しい細胞が生み出されていて、最終的には皮膚から垢またはフケとなって剥がれ落ちます。この生まれ変わりの周期をターンオーバーと言います。
睡眠不足・ストレス・皮脂の過剰分泌はターンオーバーの乱れの原因となります。
また表皮は数層の細胞からなる薄い組織で、角質層、顆粒層、有棘(ゆうきょく)層、基底層で構成されています。
基底層は、真皮から供給される栄養をもとに、常に新しい細胞が生み出されるところです。「真皮」は、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などで構成 されていて、肌の土台としての働きをしています。
真皮にある毛細血管は周辺の細胞に栄養や酸素を供給する働きをしています。
「皮下組織」の多くは脂肪で構成されています。外部からの衝撃を吸収するクッションのような役割と、脂肪が持つ熱を伝えにくい性質を利用して、体温を一定に保つ働きをしています。
【かゆみやフケについて】
頭皮は皮脂腺や汗腺が多く、シャンプーで皮脂などの汚れが落としきれないと、皮脂が酸化され過酸化脂質になり、頭皮を刺激しかゆみやフケの原因になります。
【抜け毛について】
抜け毛には生理的に起こる自然脱毛と、病的に起こる異常脱毛があります。
自然脱毛の場合は、正常なヘアサイクルにより休止期を迎えて、コーミングやシャンプーなどの軽い力で1日に50~100本程度の髪が抜け落ちると言われています。
○壮年性脱毛症:青年期や壮年期の一部の男性で前頭部や頭頂部の髪が薄くなる脱毛症です。ヘアサイクルの成長期が短くなり、髪が細く、短くなることで、薄くなります。
○産後の脱毛症:妊娠中は女性ホルモンの影響により、本来ならば成長期を過ぎて抜け落ちるはずの髪が成長し続けます。
しかし、出産後に女性ホルモンのバランスが元に戻り、それまで生え続けていた髪が抜け落ちることで、抜け毛が増えたり、 髪が薄くなったりします。個人差はありますが、半年~1年程度で徐々に回復します。
○脂漏性脱毛症:毛穴の詰まりや雑菌の繁殖により、髪が抜け落ちます。
皮脂の過剰分泌により毛穴が詰まることが原因であると言われています。
○ダイエットによる脱毛症:極端なダイエットにより抜け毛が増えたり、髪が薄くなったりします。髪の成長に必要な栄養が不足してしまうことが原因であると言われています。
○粃糠(ひこう)性脱毛症:細かい粉のようなフケが大量に発生して、毛髪が抜け落ちます。細かいフケが毛穴を詰まらせることが原因といわれています。
○円形脱毛症:ある日突然、毛髪が抜け落ち、十円玉程度の円形の脱毛を招きます。
脱毛の部位は1箇所の場合もあれば、数箇所同時に発生する場合もあります自律神経の異常、ストレスなどの原因が考えられますが、詳しいことは分かっていません。
○びまん性脱毛症:女性の悩みとなる薄毛症状で最も多いタイプです。
びまんとは「一面に広がる」という意味で、頭部全体の髪が均等に脱毛し、髪が全体的に薄くな ります。
特に髪の分け目の皮膚が透けて見えるようになり、年齢的には、30 代後半の中年以降の女性によくみられます。
【ホルモンと薄毛の関係】
男性ホルモン(テストステロン)は酵素(5αリダクターゼ)に還元されて、還元型男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)になります。女性の薄毛(びまん性脱毛症)のメカニズムについては、加齢によって女性ホルモンが減少し男性ホルモンの影響を受けやすくなるためと考えられ、女性ホルモンの減少が毛細血管の萎縮を引き起こすことが明らかになってきています。
【頭頂部の髪のボリュームダウンについて】
○要因:頭頂部の髪のボリュームダウンの要因は、1頭皮のハリの低下、2頭皮の硬化、3毛根部(毛包)周囲の毛細血管の委縮、が原因と考えられます。
頭皮のハリを支えるコラーゲン(=頭皮の厚み)、エラスチン(=弾力)、ヒアルロン酸(=潤い)は、年齢を重ねるにつれて減少します。
頭皮のハリ が低下すると、側面や後頭部がたるみ、頭頂部は引っ張られます。その結果、頭頂部の毛穴が広がるため、髪が倒れやすくなり、ボリュームダウン につながります。
○対応:頭皮の厚み、弾力、うるおいを増やして、頭皮のハリを取り戻すことです。
頭皮の硬さは筋肉の収縮が原因として考えられます。
頭の筋肉をほぐして、やわらかい頭皮を保つことです。
頭皮表面の潤いは、角質層に含まれる天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)と呼ばれ るアミノ酸やミネラル成分によって保たれています。
○頭皮の色:健康な頭皮の色は青白くツヤがあり、年齢により乾燥した頭皮は全体に黄ばみ・ツヤがありません。
若年性の乾燥した頭皮は頭皮全体は青白いがツヤがなく部分的に赤みがあります。